ごあいさつ

 跳梁する新型コロナウイルスは、「不急不要」などというレッテルとともに、文化を直撃しました。ことに、人が集まってこそ成果が期待できる劇場は、三密を避けるために、閉鎖になったり、観客の人数制限がかかったりして、手ひどい打撃を受けています。映画も当然最大の被害者のひとりです。そんな中での〈しんゆり映画祭〉です。

 「人を集めてはいけない」「もしクラスターでも出たらどうするんだ」と言われながら、人を集めなければ成り立たない映画祭を、何とか成り立たせようと、今、私たちは必死になっています。「お集まりください」と言うそばから「集まらないでください」と言わなければならないのです。そこで、規模は小さくとも稔りのある企画や、顔を合わせなくても収穫のある企画など、知恵を絞って、コロナ禍のもとでも成り立つ映画祭を計画しています。

 1995年以来の歴史ある映画祭です。市民の力で企画・運営してきて、多くの関係団体に支えられてきた映画祭です。コロナごときで潰すわけにいきません。

 映画は、人間を描き、人間の関係を描くことで、人間に生きる力を与える媒体です。「不急」でも「不要」でもなく、「必要不可欠」な媒体です。人間をバラバラにするコロナ時代だからこそ、「必要不可欠」な文化です。もうひとつのワクチンです。市民みんなでそれを支えるための、〈しんゆり映画祭〉に、皆さんの力を貸してください。

NPO法人KAWASAKIアーツ 理事長 ふじたあさや