2018年度 ラインナップ(終了済)
インド、韓国、台湾、シリア、インドネシア―アジア各国が舞台となった珠玉の新作映画がしんゆりに集結!
©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.
2017年/インド/167分
監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
海を駆ける
© 2018 "The Man from the Sea" FILM PARTNERS
2018年/日本・フランス・インドネシア/107分
監督・脚本・編集:深田晃司
©2017 A&E Television Networks, LLC | Our Time Projects, LLC
2017年/アメリカ/92分
監督・製作・撮影・編集:マシュー・ハイネマン
©2014 Honto Production Huayi Brothers Media Ltd. Oriental Digital Entertainment Co., Ltd. 1 Production Film Co. CatchPlay, Inc. Abico Film Co., Ltd All Rights Reserved
2014年/台湾/133分
監督・脚本:ニウ・チェンザー
『万引き家族』での存在感と演技で深い印象を与えたリリー・フランキー。イラストレーターや小説家としても活躍する彼の、多彩な魅力が詰まった2作品をお楽しみください!
実在の人物を演じた日本映画にフォーカス。俳優たちはどのようにして「あの人」へアプローチしたのか、監督たちはどのように魅力を引き出したのかをご注目ください。
名匠ジェームズ・アイヴォリーの今年劇場で公開された2作品を上映!忘れられない青春の日々を切り取った最新作と、一生ものの狂おしい愛を描いた不朽の名作をご堪能ください。
©1987 Merchant Ivory Productions Ltd. A Merchant Ivory Film in association with Film Four International and Cinecom Pictures
1987年/イギリス/141分/R15+
監督:ジェームズ・アイヴォリー
是枝裕和監督がパルムドールを受賞し今年話題となったカンヌ国際映画祭。数々の受賞作の中から、選りすぐりの2 作品をお楽しみください。
© 2013- WILD BUNCH - QUAT’ SOUS FILMS – FRANCE 2 CINEMA – SCOPE PICTURES – RTBF (Télévision belge) - VERTIGO FILMS
2013年/フランス/179分 /R18+
監督:アブデラティフ・ケシシュ
映画界に期待される若き才能や日本映画学校(現・日本映画大学)出身・新百合ヶ丘ゆかりの監督など、個性豊かな良作が目白押し!
お子さんと一緒にご覧いただけるプログラム。大人にも見応えのある作品です。映画を楽しみ深める秋の一日。ぜひみなさんでお越しください。
中学生対象の映画制作ワークショップの発表会。舞台挨拶もあります。
広々とした夜空の下での無料上映会を楽しめる、KAWASAKIしんゆり映画祭の夏の特別企画「なつやすみ野外上映会」。
激烈!驚愕!耽美! 見逃せないアジア映画特集
2018年度の特集企画です。開催は終了しました。
インド、韓国、台湾、シリア、インドネシア―アジア各国が舞台となった珠玉の新作映画がしんゆりに集結!
『バーフバリ 王の凱旋』
≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫
あらすじ
はるか遠い昔、インドに栄えたマヒシュマティ王国。この国にはかつて、圧倒的な人気をはくした伝説の英雄アマレンドラ・バーフバリがいた。そんな彼の息子であることを告げられた青年シヴドゥは王族の家臣・カッタッパから両親にまつわる悲劇を聞かされる。壮絶な愛憎が入り混じる、王位を巡る25年前の惨事。その全てを知ったシヴドゥは悲劇の原因である、暴君と化した現国王のバラーラデーヴァへ戦いを挑む。
※第1作『バーフバリ 伝説誕生』のダイジェスト映像も同時上映します。
おすすめコメント
インドで大人気の本作は、日本でも熱狂的な支持を得て、26分長い本国バージョンとして緊急公開されたものを今回上映。アクション、ラブロマンス、ユーモア、大河ドラマ等あらゆる要素が規格外のレベルでスクリーンから溢れ出し、大画面いっぱいに楽しめる。これぞ映画の醍醐味。観ながらきっとあなたも心の中で、声に出して叫ぶはず。「ジャイホー!」
イベント情報:『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』絶叫上映~しんゆり映画祭の陣~
レギュレーション
◆歓声・応援などの発声
◆サリー・コスプレでの参加(着替えスペースはありません)
◆サイリウム・光り物使用
◆タンバリン・鈴の使用可能
「絶叫上映」とは上映中に、お客様各自が自由に上記のことを行い、お楽しみいただける上映形式です。
絶叫上映初心者の方にも楽しんでいただけるよう、上映前には前説を行います!
絶叫上映初心者の方、リピーターの方(マヒシュマティ国民大歓迎!)はもちろん、『バーフバリ』初鑑賞の方も絶叫上映で、ぜひバーフバリの世界を体感してください。
※絶叫上映は11.3[土]の上映回のみ。特別料金での上映になります。
【協力:V8J 絶叫上映企画チーム】
入場者特典
盾ステッカー・クンタラver.
牛注意ステッカー
共にデザイン:V8J 絶叫上映企画チーム こちんださん
禁止事項
◇罵声や本作のネタバレに関する発声
◇クラッカー、鳴り物(打楽器・ノイズメーカーなど)の使用
◇スタンディング(立ち上がった状態でのご鑑賞)
◇ご飲食(会場の都合により) ※ご飲食は会場のロビーでお願い致します。
さらに!!!
同日には「キネカ大森」にて第1作『バーフバリ 伝説誕生<完全版>』の「絶叫爆裂マサラ上映~キネカ大森の陣~」を開催決定!!!
「キネカ大森の陣」から「しんゆり映画祭の陣」へのはしごも可能です!
詳しくは、下記URLをご参照ください。
『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』
あらすじ
1980年5月、韓国各地で民主化デモが起こっていた。ソウルのタクシー運転手・マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を払う」という言葉を聞きつけ、ドイツ人記者ピーターを乗せ光州へ何とか辿り着き、ピーターは取材を始める。11歳の娘を一人で留守番させているマンソプは「危険だからソウルに帰ろう」とピーターに話すが聞き入れられない。次々に起こるトラブルや状況の悪化でマンソプはソウルに帰れず焦るのだが…。
おすすめコメント
昨年、韓国でNo.1大ヒット作品が映画祭に登場。平凡なタクシー運転手が“光州事件“を目の当たりにしてどのように変化するか…。主演を務める韓国きっての名優ソン・ガンホらの演技は流石です。韓国現代史上最大の悲劇と言われる光州事件をテーマにしつつ、市民たちの喜怒哀楽をこまやかに、そして迫力あるシーンをダイナミックに描いた極上のエンタテインメント作品です。韓国映画の奥深さや楽しさなどについて、ハン先生にお話しいただきます。
ゲスト(予定)
ハン・トンヒョンさん
日本映画大学准教授(社会学)
1968 年東京生まれ。専門はナショナリズムとエスニシティ、主なフィールドは在日コリアンを中心とした在日外国人問題。著書に『チマ・チョゴリ制服の民族誌(エスノグラフィー)──その誕生と朝鮮学校の女性たち』(双風舎,2006)、『平成史【増補新版】』(共著,河出書房新社,2014)、『社会の芸術/芸術という社会』(共著,フィルムアート社,2016)、『ジェンダーとセクシュアリティで見る東アジア』(共著,勁草書房,2017)など。
『海を駆ける』
あらすじ
インドネシアで津波からの復興支援活動をしている貴子とその息子のタカシ。ある日、貴子のもとに海辺に流れついた男が日本人ではないかという知らせが入る。確認に向かった貴子は、名前も記憶もなくした若い男を預かることになる。インドネシア語で海を意味する「ラウ」と名付けられた男の周りでは、やがて不思議なことが起こり始める…。
おすすめコメント
しんゆり映画祭でおなじみの深田監督は「今後自分の映画はすべてバリアフリー化したい」とSNSで発信されています。今年は日本語字幕付き上映です。津波の爪痕や戦争や内戦の歴史が残るインドネシアを舞台に海で発見される男を演じるのは、朝の連続ドラマで“五代様”ブームを巻き起こしたディーン・フジオカさん(それを知らずに配役したという監督)。これまでのディーンさんとは一味違う不思議な存在感をお見逃しなく!
『海を駆ける』の日本語字幕付き上映の経緯もご紹介している、バリアフリーシアター 制作チームの日々を描いたマンガもどうぞ!
ゲスト(予定)
阿部純子さん
女優
1993年、大阪府出身。小学生の時にモデルとしてデビュー。映画『リアル鬼ごっこ2』(10年)でヒロインに抜擢。以降、ドラマ、映画と着実にキャリアを積み、映画『2つ目の窓』(14年)で第4回サハリン国際映画祭主演女優賞、第29回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。同年、1年間渡米し、ニューヨーク大学演劇科に留学。帰国後、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」中田綾役でレギュラーキャストに抜擢。2017年10月に出演作『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』、『ポンチョに夜明けの風はらませて』、2018年5月には『孤狼の血』が公開となっている。
『ラッカは静かに虐殺されている』
あらすじ
第二次世界大戦後最悪の人道危機と言われるシリア内戦。その中で2014年春、IS(いわゆる「イスラム国))が北部の街ラッカを支配し首都とした。美しかった街は戦闘で一変しISによる残忍な行為が繰り返される中、市民ジャーナリスト集団”RBSS”(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)が秘密裡に結成された。海外メディアが入れず報じられないシリアの惨状を発信するRBSSのメンバーを追ったドキュメンタリー。
おすすめコメント
世界中で深刻化する難民問題。中でも国民のおよそ4人に1人が難民といわれているシリアの実情の一端を本作は示す。元々ごく平凡な学生や教師だったRBSSのメンバーは、シリアの内と外で連絡を取りながら海外へ母国の惨状を発信し続ける。彼らの家族も共に死の危険にさらされ極限の恐怖に苛まれながらも行動する彼らの、熱くて静かな様子ををぜひご覧いただきたい。
『軍中楽園』
あらすじ
1969 年、中国と台湾が軍事対立していた時代。中国大陸からたった2キロの距離の最前線、金門島に配属された台湾人の青年兵ルオ・バオタイ。砲撃が降り注ぐ中、エリート部隊で厳しい訓練に励んでいたバオタイだったが、「特約茶屋」を管理する831 部隊に配置換えになる。そこは「軍中楽園」と呼ばれる娼館。つかの間の安らぎを求めて通う兵士たちと、事情を抱えて働く女たち。バオタイは美しい娼婦ニーニーとの友情を深めていくのだが… 。
おすすめコメント
監督ニウ・チェンザーの代表作は、台北のギャングを描いた『モンガに散る』。その際に主演を務めたイーサン・ルアンが本作でも、故郷の恋人との純潔の誓いを守るイノセントな青年兵バオタイを好演しています。彼が惹かれていくニーニーを演じるレジーナ・ワンの陰のある美しさ!第二次世界大戦後から約40 年間公然の秘密とされていた「特約茶室」の濃密な空間は必見。
多くの顔を持つ役者「リリー・フランキー」
2018年度の特集企画です。開催は終了しました。
『万引き家族』での存在感と演技で深い印象を与えたリリー・フランキー。イラストレーターや小説家としても活躍する彼の、多彩な魅力が詰まった2作品をお楽しみください!
10月30日追記: 『パーフェクト・レボリューション』11月4日(日)の上映回では、主演のリリー・フランキーさん、企画・原案の熊篠慶彦さん、松本准平監督によるゲストトークを開催!
『blank13』
あらすじ
13 年前に蒸発した父の消息が判明した。ガンで余命三ヶ月。ギャンブルでこしらえた借金を残して消えた父に「恨みしかない」と、母と兄は会おうとしなかった。しかし優しい父の記憶が忘れられない弟は、病院へ向かい再会を果たす。家族たちとの溝は埋まることなく父は亡くなるが、葬儀当日の参列者たちが語る父のエピソードで、彼の13 年間の“ 空白”が埋まっていく。
おすすめコメント
俳優として大活躍の斎藤工の長編初監督作品。実話をもとにした本作は、失踪する父親を演じるリリー・フランキーほか、実力派の俳優陣の好演が光ります。彼らの演技を引き出し、丁寧にひとつひとつの場面を撮っていった齊藤監督の、スタッフ・キャスト、観客への愛と尊敬の念が作品のそこかしこから感じられます。
『パーフェクト・レボリューション』
あらすじ
幼少期に脳性マヒを患い、電動車椅子での生活を送るクマ。彼はセックスが大好き。「身体障がい者にとっての性」への理解を訴えるために活動中。ある日、クマは著書のイベントで若い女性、ミツと出会う。彼の生き方に感銘を受けたミツはクマに「あなたとわたしみたいなのが幸せになれたら、それってすごいことだと思わない? 」と言う。ミツはクマに、とある提案をする。
おすすめコメント
クマを演じるリリー・フランキー。ミツを演じる清野菜名。2人の演技が圧巻だ。企画・原案の熊篠氏と旧知ゆえの、リリーの遠慮がない真摯な演技は、クマが置かれている状況をストレートに訴えかける。対する清野の演技は状況を打破するために現れた救世主のように、本作に明るさをもたらす。クマとミツの運命の行く先をぜひ、劇場で。
ゲスト(予定)
リリー・フランキーさん
1963年11月4日生まれ。福岡県出身。武蔵野美術大学卒。イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞・作曲、俳優など、多分野で活動。初の長編小説『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は2006年本屋大賞を受賞し230万部を超え、絵本『おでんくん』はアニメ化。音楽活動では、総合プロデュースした藤田恵美「花束と猫」が「第54回 輝く!日本レコード大賞」において優秀アルバム賞を受賞。俳優としては、映画『ぐるりのこと。』でブルーリボン賞新人賞、第37回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞(『そして父になる』)、優秀助演男優賞(『凶悪』)ほか多数の映画賞を受賞。16年にも第40回日本アカデミー賞、第59回ブルーリボン賞でそれぞれ優秀助演男優賞を受賞。17年には『美しい星』、『パーフェクト・レボリューション』の主演作をはじめ他多数の作品に出演。18年には第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドール作品『万引き家族』や『SUNNY 強い気持ち・強い愛』に出演。
熊篠慶彦さん(企画・原案)
特定非営利活動法人ノアール理事長
1969年、神奈川県生まれ。出生時より脳性麻痺による四肢の痙性麻痺がある。医療、介護、風俗産業など、さまざまな現場で障害者の性的幸福追求権が無視されている現状に突き当たり、ノアールの活動を通して身体障害者のセクシュアリティに関する支援、啓発、情報発信、イベント・勉強会などを行っている。
松本准平監督
映画監督
1984年、長崎県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、同大学院建築学専攻修了。吉本総合芸能学院(NSC)東京校12期生。カトリックの家庭に生まれ、キリスト教の影響を強く受ける。NPO法人を設立し映像製作を開始。2012年、劇場監督デビュー作『まだ、人間』を発表。続いて2014年、作家・中村文則の小説原作『最後の命』を監督。同作でNYチェルシー映画祭・最優秀脚本賞を受賞。
「あの人」を演じるということ。
2018年度の特集企画です。開催は終了しました。
実在の人物を演じた日本映画にフォーカス。俳優たちはどのようにして「あの人」へアプローチしたのか、監督たちはどのように魅力を引き出したのかをご注目ください。
『モリのいる場所』
あらすじ
昭和49年の夏のある日。画家・熊谷守一の自宅の庭は、草木が生い茂り、虫や鳥などの生き物たちが豊かに暮らしている。今日も彼はそんな庭へ観察しに出かける。妻の秀子と姪の美恵とともに暮らす熊谷家はいつも賑やか。温泉旅館の主人や写真家とその助手、ご近所さんなど、彼を“モリ”と呼んで親しむ来客が絶えない。そんなところへ、隣に建設中のマンションのオーナーと現場監督が、立ち退きの話をしにやってくる。
おすすめコメント
かねてから熊谷守一の大ファンだった山﨑努さんが『キツツキと雨』撮影時に沖田監督へ熱い思いを語り、その熱意を引き継いで守一を調べた沖田監督の「山﨑さんの守一が見たい!」という思いがマリアージュして生まれたのが本作だ。長年連れ添った妻役は、意外にも山﨑さんと初共演となった樹木希林さんが演じている。晩年の1日がコミカルに描かれながらも、互いを慈しみ合う夫婦像にほっこりさせられる、沖田監督の真骨頂!
ゲスト(予定)
沖田修一監督
映画監督
2001年、日本大学芸術学部映画学科卒業。数本の短編映画の自主制作を経て、2006年、初の長編となる『このすばらしきせかい』を発表。2009年、『南極料理人』が全国で大ヒット、国内外で高い評価を受ける。2012年公開の『キツツキと雨』が第24回東京国際映画祭にて審査員特別賞を受賞し、ドバイ国際映画祭で日本映画初の3冠受賞を達成。2013年公開の『横道世之介』では第56回ブルーリボン賞最優秀作品賞などを受賞。
『素敵なダイナマイトスキャンダル』
あらすじ
岡山の田舎町に生まれ育った末井昭は、7歳にして衝撃的な死に触れる。肺結核を患った母親が、隣家の青年と山中で抱き合いダイナマイトに着火して大爆発!心中したのだ。高校卒業後、末井は大阪、川崎の工場で働き、キャバレーの看板描き、イラストレーターを経て、エロ雑誌の出版社へ。編集長として新感覚のエロ雑誌を世に次々送り出し、発禁と創刊を繰り返す。昭和50~60年代を全力で駆け抜けた彼の、数奇な青春模様。
おすすめコメント
『南瓜とマヨネーズ』の冨永昌敬監督は本作で、主演の柄本佑を中心とした曲者ぞろいの出演者たちを相手に、破天荒さや滑稽味、時には哀愁を引き出し、異端の青春映画を作り上げた。「キャバレー」、「テレフォン喫茶」、「エロ雑誌」……末井が暴れまくった昭和を知る人にとってはノスタルジックな光景の連続。当時を知らない若い人たちにとっては今の時代に観るからこそ、センセーショナルかつエキサイティングに映る。
ゲスト(予定)
冨永昌敬監督
映画監督
1975年生まれ、愛媛県出身。映画監督。おもな劇映画作品は『亀虫』(03)、『パビリオン山椒魚』(06)、『コンナオトナノオンナノコ』(07)、『シャーリーの転落人生』(08)、『パンドラの匣』(09)、『乱暴と待機』(10)、『ローリング』(15)、『南瓜とマヨネーズ』(17)。ほかにドキュメンタリー、オムニバス、ドラマ、MVなど監督作品多数。
ジェームズ・アイヴォリーの世界
2018年度の特集企画です。開催は終了しました。
名匠ジェームズ・アイヴォリーの今年劇場で公開された2作品を上映!忘れられない青春の日々を切り取った最新作と、一生ものの狂おしい愛を描いた不朽の名作をご堪能ください。
『モーリス 4K』
あらすじ
舞台は20世紀初頭のイギリス。異性を愛せず、自分の性に漠然と不安を抱えて生きてきた青年モーリスが、ケンブリッジ大学に在学中、頭脳明晰な美しい上級生クライヴに出会う。二人は卒業し、別々の道を歩みながらも交流を続けていた…。
おすすめコメント
真実の愛と伝統社会のはざまで苦悩するクライヴを演じた若き日のヒュー・グラントに目を奪われる。88 年公開当時、禁断の愛を真正面から描いた本作は、一大センセーションを巻き起こした。製作30周年を記念し、デジタル修復を施した無修正版であの美しい世界がよみがえる。J・アイヴォリー監督が「自分にとって大切な本当の感情とは何かを追求した」と語る本作のテーマは時代・性別を超越した大きな感動がある。
『君の名前で僕を呼んで』
あらすじ
1983 年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、大学教授である父の助手としてアメリカからやって来た24 歳の大学院生オリヴァーと出会う。はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に苛立ちを覚えるエリオ。しかし、不思議な磁石があるように、二人は引きつけあったり反発したりしながら心の距離を縮めていく…。
おすすめコメント
『日の名残り』『眺めのいい部屋』の名匠ジェームズ・アイヴォリーが脚本を執筆したラブストーリー。美しいイタリアの風景、青年・エリオが夏を過ごす別荘に集う個性豊かな人々、そして彼に向けられた様々な人たちからの愛。すべてのシーンが瑞々しく輝き、80年代のポピュラー音楽とともに初恋の甘さとほろ苦さに酔いしれるひと時をご堪能ください。
ゲスト(予定)
よしひろまさみちさん
映画ライター
情報誌、女性誌などの編集部を経てフリーに。『sweet』『otona MUSE』(共に宝島社)の執筆・編集を担当。『SPA!』(扶桑社)『an・an』(マガジンハウス)などの媒体で映画レビュー、インタビューなどを連載。『スッキリ!!』(日本テレビ系)、『クロノス』(TOKYO FM)などのテレビ・ラジオ番組で映画紹介を担当。
2018年 ‟今だからこそ“ ぜひ観たい名作
2018年度の特集企画です。開催は終了しました。
是枝裕和監督がパルムドールを受賞し今年話題となったカンヌ国際映画祭。数々の受賞作の中から、選りすぐりの2 作品をお楽しみください。
『アデル、ブルーは熱い色』
あらすじ
彼とのデートへ向かう途中、道ですれ違った青い髪の女に目を奪われてしまった女子高生のアデル。夢にまでその女が出てくるほど、アデルは虜なってしまう。ある夜、立ち寄ったバーでその女に再会。彼女はエマという名前の美学生だった。惹かれあう二人はお互いを激しく求め合うのだが、月日が流れ社会人になると、アデルはエマの気持ちを疑うようになり…。
おすすめコメント
相手をそのままの存在として愛すること、恋愛は気高く美しいということをこの作品で痛感しました。第66回カンヌ国際映画祭で監督だけでなく、主演のアデル・エグザルコプロスとレア・セドゥにもパルムドールが授与され、役者たちの名演が光った作品です。恋愛における多様な生き方や女性の社会的地位について理解を深める機運にある昨今ですが、なによりも、彼女たちの胸を焦がすラブストーリーをぜひスクリーンでご覧ください。
『誰も知らない』
あらすじ
都内のアパートで母親と暮らす4歳~12歳の4人の兄妹。彼らの父親は皆別々で学校に通ったこともない。アパートの大家には、父親が海外赴任中で母と長男の二人暮らしと偽っているが、彼らなりに幸せな生活を送っていた。ある時「好きな人ができたの」と長男に話した母親は突然わずかなお金と「お母さんはしばらく留守にします」というメモを残して姿を消す。この日から、誰にも知られることのない4人の子どもたちだけの生活が始まった。
おすすめコメント
私たちが「見ない、知らない」ことにして世間の片隅に追いやっている人たちへ温かな眼差しを向け丁寧に彼らを描く。最新作の『万引き家族』も本作も、是枝監督のスタンスは変わりません。今は実力派の俳優として大活躍の柳楽優弥や韓英恵ら子どもたちを1 年以上にわたり撮影。YOUや加瀬亮、平泉成の演技や、作品全体をそっと包み込むようなゴンチチの音楽にも注目です。
ゲスト(予定)
佐藤忠男さん
映画評論家
1930年新潟県生まれ。「映画評論」「思想の科学」の編集にたずさわりながら評論活動を行う。アジア映画を中心に、世界中の知られざる優れた現代映画を発掘、紹介し日本の映画界に貢献。映画ばかりではなく演劇、文学、教育など幅広い分野にわたり執筆活動を続けている。著作に「日本映画史」(全4巻)「日本映画の巨匠たち」(全3巻)など多数。現在、日本映画大学名誉学長をつとめ、日本映画の将来を担う人材の育成に尽力している。
注目!今アツい監督たち
2018年度の特集企画です。開催は終了しました。
映画界に期待される若き才能や日本映画学校(現・日本映画大学)出身・新百合ヶ丘ゆかりの監督など、個性豊かな良作が目白押し!
『見栄を張る』
あらすじ
主なキャリアはビールのテレビCMへの出演だが、「女優をしている」と見栄を張ってしまう吉岡絵梨子、28歳。姉の死をきっかけに帰省した和歌山で、姉が“ 泣き屋”として働いていたことを知る。他人の葬儀で涙を流す仕事に対し、死んだ後も体裁を気にするのかと絵梨子は呆れ気味。とはいえ甥の面倒や自身の生活のため、「自分は女優だから泣くのは得意だ」と言い張り、泣き屋見習いとして葬儀に参列するのだが…。
おすすめコメント
かつて日本に実在していた葬儀のための"泣き屋"に着目し、世間体を気にする現代人の葛藤を、主人公と同じ20代の藤村明世監督が長編1作目で繊細かつユーモラスに描いています。立ちはだかる現実に揉まれ、ふてくされながらも不器用に生きる絵梨子に思わず感情移入してしまいます。そんな絵梨子を演じた久保陽香さんは要注目です!
ゲスト(予定)
藤村 明世監督
映画監督
1990年東京都生まれ。明治学院大学文学部芸術学科にて映画学を専攻。CO2(シネアスト・オーガニゼーション大阪)の助成を受けた本作で長編デビューを果たし、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016長編コンペティション部門にてSKIPシティアワード、イタリアのWorking Title Film Festivalにてスペシャルメンションを受賞。オムニバス映画『十年 Ten Years Japan』が11月3日に公開予定。
久保 陽香さん
女優
1987 年兵庫県出身。映画やドラマ、CM、舞台など幅広く活躍中。
主な出演作は、映画「たまゆら」(18/土田ひろかず)、「40万分の1」(18/井上博貴)、Webドラマ、北欧暮らしの道具店オリジナルドラマ「青葉家のテーブル」、TV「執事 西園寺の名推理」第3話(18/TX)など。旅番組「はるさんぽ。」 (TSK・BBT・KSS)ではメイン旅人として出演。
『四月の永い夢』
あらすじ
3年前に恋人を突然亡くし、中学の音楽教師を辞めた滝本初海。学生時代から住み続けている東京都国立市の蕎麦屋でアルバイトをしながら穏やかな日々を重ねていた。そんなある朝、亡き恋人の母親から手紙が届く。その日を境に、初海の静かだった日常に様々な変化が訪れる。
おすすめコメント
『走れ、絶望に追いつかれない速さで』などの新鋭・中川龍太郎は新百合ヶ丘ご出身。『かぐや姫の物語』のヒロインの声を演じた朝倉あきの演技は往年の名女優を彷彿とさせます。モスクワ国際映画祭にて国際映画批評家連盟賞、ロシア映画批評家連盟特別表彰をダブル受賞しました。ヒロインが抱える心のわだかまりとその解放が丁寧に紡がれ、心に染み入る美しい物語がそこにあります。